2012年3月26日月曜日

ハイバイ ある女

西鉄ホール。ハイバイ。ある女。

不倫をするつもりも
売春をするつもりもなく

でもどっちもやっていたタカコの話。

そして傷ついてばかりいるようで
実は傷つけていたタカコの話。

男性である岩井さんが
女性の振る舞いをせず演じたのは
生々しさを避けるためだったのだろうか。
しかし後半では岩井さん演じるタカコが
いわゆる職場で噂になるフェロモン系タイプの女性に見えてきた。
岩井さんの独特の表現力に感心。


自分が受ける仕打ちはクールに受け止めるのに
自分が傷つけたと知った轟さんに対して泣きじゃくるタカコ。

イタイ女というよりは
正直で、強そうで弱い女。

ずるくて、弱そうで強い女がいわゆる勝ち組にのしあがっていくのだろう。
そんな状況を実生活でも目の当たりにした。




そう思ってしまう私も、イタイ女なのだろうな。

2012年3月21日水曜日

How to succeed in business without really trying


超ツボ。
かわいい。
DVD化されていない様子。

2012年3月19日月曜日

ものすごくうるさくて ありえないほど近い

ちらっと予告と、イオンにあった垂れ幕が
なんとなく気になっていた映画。

機会があって、観てきました。

なかなかにずっしりと来る映画。

今の日本で公開するのは生々しいなと思いました。

少年の成長が主題なのですが、
震災後の日本にいる自分にとっては、ついそのこととかぶせてしまいます。
あれに近い体験をした人がどれだけいたのだろうかと思うのです。

映画の予告がそこにあまり触れていないのも、
きっと考慮してのことなのでしょう。

9.11で父親を失った少年。
その強烈なトラウマと、もともとの「少し変わった」気質。
それをのりこえるための「鍵」。

タイトルにもありますが、音の変化が印象的でした。
最初に街に飛び出した少年を襲う
ものすごくうるさい日常の「音」。
それがだんだんと変化し、
最後にはきにならにほどちいさな風景の一部になっています。
このへんは映画館でないとわかりにくいだろうなあ。

あと、少年の叫ぶような一言、「普通になるから」。
周りと適応できないこと、すこし枠からはずれたことを
個性として受け入れるのか
異質として矯正するのか

それによって人生は大きくかわってしまうのでしょうね。

9.11以前は
父親は「個性」として受け入れ、
母親は「異質」として心配していたのかな。
少年が母に心を開かなかったのは、そこにあったのかも。



予告で「リトルダンサー」って書いてあったのをなんとなく覚えていて、
少年か?と思いましたが、あれは10年ほど前の映画でした。
監督が、同じ方。スティーブン・ダルドリー。
苦悩する少年を描くのがうまいんだろうな。

というか少年、すごい演技力。








2012年3月1日木曜日

Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

初めて行ったTジョイ博多。
きれいでした。

映画、美しかった。
苦手な3D。やっぱり途中で疲れましたが、
それでもいままで見た3Dの中ではとびきりの美しさ。
ヴェンダースの静かな美しい映像が浮き上がって見えます。

CGとかいらない。
ダンサーのポートレートのようなところのすいこまれるような奥行き。
工場、交差点、荒涼とした大地、緑の森の光の中で舞う身体。
ほんのすこしの陰影がふわっと浮き立つ美しさ。

ストーリーがないので、正直2時間、ちょっと集中力がかけるところもあります。

しかし映像美として、ほんとに美しい。

ピナが作り出した肉体の動きを、舞台の外の世界に取り出し、
生の舞台では不可能な演出を加え、新たに作り上げた幻想的な映像作品。
ほんとうに、夢をみているかのような、非現実的な世界をリアルに撮りあげています。

一番、観たかったのも、ヴェンダースが観せたかったのも
ピナバウシュ本人なのではないでしょうか。
そう思うと、じわりと涙すら浮かびます。


劇場で、すばらしい音響の中、ふわりと浮き上がる映像を楽しむ。

あらたな映画館の可能性。

観にいってよかったと思える映画でした。