2012年3月19日月曜日

ものすごくうるさくて ありえないほど近い

ちらっと予告と、イオンにあった垂れ幕が
なんとなく気になっていた映画。

機会があって、観てきました。

なかなかにずっしりと来る映画。

今の日本で公開するのは生々しいなと思いました。

少年の成長が主題なのですが、
震災後の日本にいる自分にとっては、ついそのこととかぶせてしまいます。
あれに近い体験をした人がどれだけいたのだろうかと思うのです。

映画の予告がそこにあまり触れていないのも、
きっと考慮してのことなのでしょう。

9.11で父親を失った少年。
その強烈なトラウマと、もともとの「少し変わった」気質。
それをのりこえるための「鍵」。

タイトルにもありますが、音の変化が印象的でした。
最初に街に飛び出した少年を襲う
ものすごくうるさい日常の「音」。
それがだんだんと変化し、
最後にはきにならにほどちいさな風景の一部になっています。
このへんは映画館でないとわかりにくいだろうなあ。

あと、少年の叫ぶような一言、「普通になるから」。
周りと適応できないこと、すこし枠からはずれたことを
個性として受け入れるのか
異質として矯正するのか

それによって人生は大きくかわってしまうのでしょうね。

9.11以前は
父親は「個性」として受け入れ、
母親は「異質」として心配していたのかな。
少年が母に心を開かなかったのは、そこにあったのかも。



予告で「リトルダンサー」って書いてあったのをなんとなく覚えていて、
少年か?と思いましたが、あれは10年ほど前の映画でした。
監督が、同じ方。スティーブン・ダルドリー。
苦悩する少年を描くのがうまいんだろうな。

というか少年、すごい演技力。