初めて行ったTジョイ博多。
きれいでした。
映画、美しかった。
苦手な3D。やっぱり途中で疲れましたが、
それでもいままで見た3Dの中ではとびきりの美しさ。
ヴェンダースの静かな美しい映像が浮き上がって見えます。
CGとかいらない。
ダンサーのポートレートのようなところのすいこまれるような奥行き。
工場、交差点、荒涼とした大地、緑の森の光の中で舞う身体。
ほんのすこしの陰影がふわっと浮き立つ美しさ。
ストーリーがないので、正直2時間、ちょっと集中力がかけるところもあります。
しかし映像美として、ほんとに美しい。
ピナが作り出した肉体の動きを、舞台の外の世界に取り出し、
生の舞台では不可能な演出を加え、新たに作り上げた幻想的な映像作品。
ほんとうに、夢をみているかのような、非現実的な世界をリアルに撮りあげています。
一番、観たかったのも、ヴェンダースが観せたかったのも
ピナバウシュ本人なのではないでしょうか。
そう思うと、じわりと涙すら浮かびます。
劇場で、すばらしい音響の中、ふわりと浮き上がる映像を楽しむ。
あらたな映画館の可能性。
観にいってよかったと思える映画でした。